ジグヘッドについて思うこと
ジグヘッド。もともとはブラックバス等で使われていたルアーの一種ですが、小沼プロが開発に携わったMARS R-32からシーバス用に広まっていきました。
いまでは多くの種類のものが販売されており、シーバス狙いの選択肢として十分に浸透している感があります。
(ボトム)ワインド
アクション強めのシャッドテール
微動なピンテールアクション
…
と、釣法も多岐に確立されいます。
また、ジグヘッドとワームの性質上、製造コストも安価なので、商売がお上手なメーカーが開発に注力している印象があります。
コアマンについて
近年のジグヘッドワーム事情を語るとすれば、コアマンは語らざるを得ない存在と言えるでしょう。
泉氏が興したこのメーカーは、VJシリーズやRJシリーズ、IPシリーズ、スピンテールのPBシリーズとヒット作を連発してきました。
また、従来のメーカーがやってこなかった「デイゲーム特化」というマーケティング戦略が優れており、根がかりしやすい鉛と製造原価の安いプラスチックゾルを一般ルアー並みの価格で販売することに成功した、現代釣り具ビジネスのロールモデルとなる偉業を達成しています。
商業的側面を先に触れましたが、先述の商品群は性能が良く、それぞれが類似商品のパイオニアとなっています。
その中でもVJシリーズの人気は凄まじいものです。2021年5月19日現在「今すぐ買おう」とすれば、ほぼ間違いなく転売品しか選択肢がない状況です。
販売自体は数年前からされていたようですが、この一年間で品薄状態が頻発しています。要因は様々思いつきますが、長くなるので機会があれば。
ルアー厳選
さて、シーバス釣りに傾倒していく中で私はある考えが沸いていきました。
荷物多すぎ(しんどい)
特定のベイトパターンをするのならまだしも、出たとこ勝負のランガン打ちみたいな釣り(結構好き)になると鞄の中のルアーケースは増えます。
さらに私はルアー同士のフック絡みはどうしても我慢できないので、一個ずつ独立した収納スペースのあるケースの使用しています。
そういったケースは一般的に仕切りのないものと比べ収納できるルアーの数が少ないものです。つまり、私は頻繁に持っていくルアーに対して厳選をかける必要がありました。
たいていの場合、持っていくルアーの数は20個程度です。
私としてはこれでも多いと感じます。
理想はメイホウ リバーシブル145(収納可能ルアー数:10)一個で釣りに行くことです。
仰々しい釣り装備ではなく、サコッシュ一つで気軽にしたいものです。
しかしどのルアーにすればいいのか・・・
経験上、ルアーの特性を考えたときに、ジグヘッドワームの「まあ、間違いないよね」感は異常です。
ワームは簡単に釣れるから面白くない。だからハードプラグしか使わない、という人も少なくないと思います。
そこは人それぞれです。私は坊主で帰りたくないなと思うような、趣味に合理性を求めちゃうアングラーなので、採用です。
釣り方に合わせて、持っていくルアーの数10個のうち5個は持っていきたいところです。
問題点
ここにきて本題です。
単純にこの手のルアー高過ぎね?問題です。
非常に良く釣れる、とされるVJは定価での入手ハードルが高い。
他の有名どころを見てみましょう。
トレブルフック付のジグヘッドワームの相場は、大体1000円~1700円といったところでしょうか。
一方で有名な静ヘッドはワームと合わせて一個あたり250円といったところです。
この差は大きいです。前者の場合3回も根掛かりしてロストしようものなら、私の場合完全に戦意喪失します。え、根掛かりするのは下手だって?まあまあ、根掛かるところって釣れるところと紙一重なんですよ、ね?
では安価な静ヘッドで手を打とうか。
経験上静ヘッドでも十分に釣れることが多かったのですがフッキングに難を感じることが度々ありました。
うむ。なるほど。
安価にトレブルフックのついたイイ感じのジグヘッドワームは作れないか?
ということで普通のジグヘッドにトレブルフックのアイを安価に作って、密造VJを買うなんてダサいことを防ごう!という回になります。
早速、見本となるVJを買ってみました。運がいいことに近所で定価で買えました。
ふむふむ。このヘッド形状がいい感じにロールするのですね。
そしてこの逆付けな感じのワームが千鳥りを自然に演出してバイトを導くということでしょうか。
どの程度効果があるかは不明ですが、ワームが柔らかいのもポイントでしょうか。
フックは細軸で、 刺さりは抜群です。開発者の泉氏はレバードラグリールを多用するので、繊細なファイトが求めれられそうです。
この微弱なロールをVJのV(バイブレーション)と表するのはなんだか違う気がしますが、バイブレーションとは広義のローリングと言えばなんとなく腑に落ちる気がします。
このヘッド形状で起きるロールを完全再現というのは難しそうです。
使ってはいませんが、がまかつのレンジスイマーがよさそうな気がしますが、コストパフォーマンス(CP)上の理由でパスです。
目標は改め、「コスパ良く、ワームの動きもよろしく」です。
そうなるとフジワラのムゲンヘッドがよさそうです。
10g程度のジグヘッドをご使用になるのであれば、ショートシャンクのものを使用しましょう。ワームの可動域が大きくなります。
今回使用するアイテムはこんな感じです。
- #00のクロススナップ
- #2のスプリットリング
- #8のDUOのフック
- メジャークラフト パラワーム 3.0inch SHADタイプ
CP(コストパフォーマンス)を考えたとき、格安と知られるFimoフックを考えましたが、正直根掛かり上等で釣りするならもう少し安いほうがいい。
すると上記のフックがいいなという結論です。
価格は17個で990円。破格です。細軸ですが対ランカーに備えるつもりもないので使用に十分かと。
工程に入ります。
まず、スナップを開き、プライヤーで掴んでワームキーパー部を通します。
スナップを閉じます。プライヤーを使うと閉じやすいです。
フックのすっぽ抜けを防ぐための仕組みです。
ワームを刺します。下の画像のようにジグヘッドとワーム並べて、フックのx軸上最も遠いところから平行の位置でワームにマジックペンで印をつけて刺すと真っすぐ刺しやすいです。
刺し終えたら、少しワームを手前にずらし、瞬間接着剤を微量塗ります。それからワームをヘッドに押し込みます。
最後にスプリットリングとフックを取り付けます。完成です。
時間があれば、フックにスプリットリングを全て取り付けておきましょう。次にジグヘッドを作る自分のためのやさしさってやつです。
これで太っいシングルフックと繊細なトレブルフックを兼ね備えた、殺意の高いジグヘッドワームが完成しました。
上手にジグヘッドの捕食をしてくれば、元々備わっていたシングルフックにかかります。この場合はフッキングさえ上手くできればバレることはないでしょう。
一方でうっかり食い損ねちゃったようなバイトには、トレブルフックが有効であると考えられます。針が細いので、大きい魚だと大変なファイトになりそうですが。
どちらにせよ、フックが増えたほうが、バレる確率が減るのは火を見るよりも明らかってやつです。
検証
いざ釣行へ。
サンプルは少ないですが、早速結果が出ました。
嬉しいもので、トレブルに食いついてくれました。
バイト時の衝撃は魚が戸惑いながら食ってるような感じでしたので、それを拾えたトレブルの恩恵は有意であると考えることができます。
最後に単価を計算しましょう。
個数 | 価格 | 単価 | |
MUGENヘッド 14g | 4 | 319 | 79.75 |
クロススナップ#00 | 9 | 297 | 33 |
スプリットリング #2 | 18 | 242 | 13.44444 |
DUO フック #8 | 17 | 990 | 58.23529 |
メジャークラフト ワーム | 6 | 500 | 83.33333 |
総計 | 54 | 2348 | 267.7631 |
一個270円でトレブルフック付ジグヘッドの代用品が手に入るなら大成功でしょう。
それに釣れたし。
実験前はやっぱり高いほうがいいのかななんて思っていましたが、なんとなくそんな考えは薄れてきています。
釣り具ビジネスの根源はそこにあるのです。
ルアーに対する信心が釣果という結果をもたらすのです。
メーカーはその信心をいかに獲得するか、です。
追記
この商品、普通にアシストフック用のアイがついてますね。
こんな記事を長々と書いたのがしんどくなりました。
私の場合釣り具はオフラインで買うことが多いので、安定的に買いやすいアイのない方をガチャガチャ弄って使っていくことになりそうです。(単価が安いからってのもある)
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